誂える あつらえる
お誂えをされた経験は皆さんありますか?
現代風に言うと、オーダーメイドです。
スーツを誂えた経験はある方もおられると思いますが、
足袋を誂えされた方は少ないかもしれません。
京都は茶道、華道のお家元も多く、また能、狂言、歌舞伎役者
花街の舞妓さんなど和装をお召しになるプロの方々が
多くおられます。
和装の足下は足袋が必須です。毎日足袋を履かれる方にとって
足袋は自分に合った物が必要になります。
そこで、所謂プロの和装の方は自分の足の寸法を採寸して足袋を
誂えるのです。
ですが、そんなプロの和装の方でさえ最近では誂える方が希有と
なっているのが現状で、それに比例し足袋を縫製する職人も非常
に貴重な存在となっています。
数十年前には、京都はもちろん、東京にも数多くの誂え専門の
足袋屋さんがありました。
今では、足をミリ単位まで採寸して、お誂えの足袋を縫製する
職人は日本で、いや世界で1人となってしまいました。
呉服屋さんやデパートで販売されている足袋は既製品です。
つまりそのお店の型をもとに作られた規格品です。
足の形は幅広、甲高など千差万別、自分と同じ足の形の人は
ほとんどいません。どこかが余ってシワが出たり、窮屈な部分
が出て足が痛くなったりするのは当然と言えば当然です。
また既製品は、生地を効率良く使用する事が優先されますので、
足の大きさに対して、生地を極力少なく仕立ててありしっかり
足を包むことが出来ません。
足の袋と書いて足袋と読むのに、しっかり包み込むことが
出来なければ本末転倒です。
また、足袋にも正しい履き方があります。
縫い目に合わせた足の入れ方があるそうで
この履き方で足袋に足を入れるとコハゼ(留金具)も簡単
に止められ、足も痛くなりにくいとのこと。
着物の着付け方は習っても、足袋の履き方までは教わった
経験がなく、私も目から鱗が落ちました。
この職人のもとには、日本中または世界中からの注文の依頼
が多く寄せられ、今から頼んでも出来上がるのは半年後だそう
です。それもそのはずです、この方以外にお願いする所もなく
この方1人で総ての行程を熟していかれるのですから。
半年でも早い方かもしれません。
本当に良いものは手間暇がかかるのです。
私が個人的に気に入っているのは、履き心地、見栄え
は当たり前なのですが、コハゼ(留金具)に名前を
刻印して頂けることです。
お誂えの印。 粋というものです。
ご興味おありでしたら、弊社までご一報下さい。
この職人のもとへお連れ致します。
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お誂え
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