100年先のことを考えたりされますでしょうか。
今が2014年ですから2114年です。
私は今年で41歳なので、100年後は141歳となります。
生きていれば、テレビに出れるくらいのご長寿です。
いや、普段の不摂生を顧みると恐らく無理です。
いやまた、再生医療などが進歩して、今より若々しく
過ごしているかも。。。。
と、想像するとキリがありません。
昔の人も100年先、何百年先の未来を想像していた
と思いますし、何かを生み出そうとした時には
未来に向けて受け継がれていくように思いを込めたと
思います。
100年先の未来に標準を定め
4人の若きデザイナーと私とで
新たな文様を生み出そうというプロジェクトが
進行中です。
東京デザインプレックス研究所の協力のもと
Villegeというデザインユニットの4人のチームに
有職文様のデザインを依頼をして、私が培った経験を基に
実際に装束の文様として理に適っているかを精査する
という作業を繰り返してきました。
文様のデザインを考えるにあたり
最初に行ったのは柄のモチーフの選別とコンセプトです。
有職文様は自然界に存在するものを使う大前提があり
過去の文様は植物、動物、また雲や波などの自然現象などを
巧みに用いて作り出されています。
つまり周りにある身近な動植物を用いたり
四季を通じて変わる自然など、目に見える
ものを柄に落とし込んでいる訳です。
今回、この平成の時代に文様を考える上で
文明の進んだこの時代だからこそ見る事が出来る
ようになった自然界の物に着眼しています。
例えば、肉眼では観察することが出来なかった
物が顕微鏡という文明の力で拡大して見れるように
なった細微なもの。
決して素潜りでは辿り着けなかった深海の世界
空を飛べるようになり、地上からでは見れなかった世界
流通の発達で、日本では自生していなかった植物が身近
になり愛でることができるようになった花
これまでに彼らが私に提案してくれた文様は40種類を
超えています。その1つ1つを精査してようやく3種類に
絞り込みました。
100年後、恐らく私も彼らも生きてはいないでしょう。
でも、その100年後の為に真剣に取組んでいます。
今までに作られた文様も何年もの時間を掛け
伝統文様としての今があります。
目先の評価を求めるのではなく、次の世代に評価される
ことを想像し文様(デザイン)を考え抜くことに
若い世代のデザイナーが共感してくれている事が
何より心強く、日本の将来が明るく感じました。
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